大阪大学が高大接続事業として実施している高校生向けの「SEEDSプログラム」研究生として選抜され、2019年から2年間、研究活動を実施。 1年目の体感科学研究生では、幅広い分野の講義・グループワークを経験。 2年目の実感科学研究生では、自身が提案した研究テーマ「量子計算機にも安全な次世代暗号の研究」が採択され、大阪大学工学研究科の宮地研究室において研究活動を実施。
選抜コース
2019年度 体感コース
夏から半年間余り月1回の全体会に参加し、多様な講義を聴講後、仲間と議論し、更には留学生との交流を行う。
また、興味ある分野の研究を体験し、最先端研究施設や企業を訪問する。大学での幅広い学問を体感し、視野を広げることが目的のコースである。
体感科学研究テーマ:
発電実験による太陽電池の理解と効率的利用に挑戦してみよう(工学研究科)、
ハイパワーレーザーを見る・触る・操るを検出をしてみよう(レーザー科学研究所)
2020年度 実感コース
体感コースを経て、選抜された受講生が大学の研究室にて自主研究に取り組み、約半年間の活動の後に研究成果を発表する。研究上の思考方法と実践を経験する。 自身が提案した研究テーマ「量子計算機にも安全な次世代暗号の研究」が採択され、大阪大学工学研究科の宮地研究室において研究活動を実施。 ディオファントス方程式を題材とした量子計算機における暗号化の研究を行った。
研究要旨
近年、量子計算機の開発が加速しており、その完成により現在広く社会で用いられているRSA暗号などの安全性の危殆化が指摘されている。 そのため、量子計算機でも解読困難な暗号化技術(耐量子暗号)の研究が活発におこなわれている。 その一例に、ディオファントス問題を用いた鍵交換技術が挙げられる。 しかしながら、これに関する研究事例はまだ少なく、安全性や計算性能について未知の部分があった。 本研究では、RSA暗号の安全性や性能を検証した上で、ディオファントス問題の先行研究をもとに改良を加え、 MagmaおよびPythonで実装し、計算性能を検証した。
指導教官
大阪大学工学研究科 電気電子情報工学専攻 サイバーセキュリティ工学領域 宮地研究室
宮地充子(教授)、
奥村伸也(助教)
主な活動実績
2019年7月 体感コース生(第5期)として選抜
2020年2月 ポスター発表
2020年3月 実感コース生採択(工学研究科宮地研究室に配属)
2020年9月 開明高等学校において中間発表
2020年12月 実感科学研究成果発表会
2021年3月 大阪大学SEEDSカフェにおいて最終発表
関連資料
※外部サイトにリンクします
大阪大学SEEDSプログラム 公式ホームページ
大阪大学工学研究科 宮地研究室
研究報告書(日本語版)
SEEDSカフェ発表動画